SNPに関して

日本人のガラパゴス的民族性の起源
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上記HPは、Y-DNAに関する数々のデータを紹介している有用なものですが
SNPに関しては、誤解が見受けられます。

例えば
「…日本列島で1万年間交配しあい、
 それぞれ子亜型に分化したため、
 日本列島独自のY-DNAハプロタイプが分化し、」
「日本列島上陸後1500年は経っているにもかかわらず、
 日本列島独自の子亜型が全く存在せず、
 中国大陸にあるそのままの子亜型のみしか検出されません。
 つまり支配階級はエリート層として
 縄文−弥生集団を見下し差別し
 交配を進めてこなかったことを
 如実に物語っています。」
といった点です。

上記の文章で亜型といっているのはSNPのことです。
SNP(Single Nucleotide Polymorphism)というのは
DNAの塩基配列の1つが変異したものです。

まず、第一にY-DNAのSNPは突然変異によって生じるのであって
交配によって生じるものではありません。

次にO3,O2b,D2の各グループに関してですが
O3に関しては、日本国内で新たなSNPが出来ている
可能性ももちろんあります。単に調べていないだけです。
(但し突然変異は確率的に生じるので、時間が短ければ
 当然変異が生じる可能性は小さくなります。)
O2bからO2b1への分化についても、O2b1が朝鮮半島でも
数%見られることから朝鮮半島で誕生した可能性が高く、
単に日本において増加が見られたと考えるのが自然です。
(日本国内でのO2b1の変化の度合いが小さいことも
 このような考えを裏付けるものです)
D2からD2a,D2a1への分化について、D2a1がアイヌ
16人中1人しか見つからない件については、
アイヌの人口減少により、D2a1の人が減ってしまった
と考えたほうがいいでしょう。