新情報

Ebizur氏から、いろいろ新情報をいただきました。

The Y-chromosome tree bursts into leaf: 13,000 high-confidence SNPs covering the majority of known clades.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25468874

Y Chromosomes of 40% Chinese Descend from Three Neolithic Super-Grandfathers.
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25170956

前者ではR1a,R1b,I1の最近の分岐が多く、
西ヨーロッパでのデータに基づいていると思われます。
後者はO3の下の分岐に関するもので、
中国でのデータに基づいていると思われます。

ISOGGのハプログループDの系統樹について 2

今年に入って更新が続いておりました。
その要点は

(5月の変更)
 D1(M15),D2(M55),D3(P99)のグループに共通して
 CTS11577なるSNPが見つかった為
 これを新しいD1グループとして、
 旧D1,D2,D3,D4をそれぞれ
 新D1a,D1b,D1c,D2と改めた
 
(8月の変更) 
 D1b2a(旧D2b1)の中に
 CTS10495なるSNPをもつグループ
 CTS11285なるSNPをもつグループ
 が見つかったのでそれぞれ
 D1b2a1,D1b2a2とした

の2点です。

ISOGGのハプログループDの系統樹について

今年2月に入ってから更新が続いておりました

http://www.isogg.org/tree/ISOGG_HapgrpD.html

大変ザックリな言い方をすれば
D2に関する主要系統は以下の4系統

D2┬┬─D2a1b2 CTS107/IMS-JST055457, IMS-JST022457,IMS-JST006841/Page3他
 │└┬D2a4a1 IMS-JST022456他
 │ └D2a4a2 CTS1964他
 └──D2b1  CTS583/Z1516,CTS220他

2013年の内藤氏らの論文
Naitoh S, et al, Assignment of Y-chromosomal SNPs Found in Japanese Population to Y-chromosomal Haplogroup tree. Journal of Human Genetics, 2013 Feb 7. doi: 10.1038/jhg.2012.159, 2013.
との比較でいえば
・D2a1b2はD2a1b/006841(19.8%)
・D2a4a1はD2a/022456(5.3%)
・D2a4a2はD2a*(5.3%)の一部
・D2b1はD2*(6.1%)の一部
といったところでしょうか

従来D2a*,D2*で表されていたところに
はじめてSNPの名前が入った点で
大いに注目されます

ただ、更新はまた途中のようで、今後
D2a(M116.1)およびD2a1(M125)について
新たなSNPが大量に追加の可能性があります

なおHP「ハプログループD2」内の記事
http://www.geocities.jp/ydna_d2/d2b1.html
で取り上げられている、とある一家の件ですが
日本で多くみられるY染色体の系統としては
D2a1bの他にも以下にのべるO2b1aがあり
結論は出ていません

なお
O2bについても今までの調査(※)で

O2b ┬┬O2b1a 47z
  │└O2b1b L682
  └─(O2b2) (CTS3505)

というようなところまで分かっているようです

http://www.isogg.org/tree/ISOGG_HapgrpO.html
https://sites.google.com/site/yhaptree/o

SNPの分類(D Haplogroupに関して)

FTDNAのD Haplogroup Projectの結果から

(Ray Banks氏の分析結果を追認するだけですが)


■CTブランチ共通
CTS109+,CTS125+,CTS1996+,CTS3331+,CTS3431+,CTS3662+,CTS4364+,CTS4368+,CTS4740+,CTS5318+,CTS5457+,CTS5532+,CTS6383+,CTS6800+,CTS6907+,CTS7922+,CTS7933+,CTS8243+,CTS8980+,CTS9828+,CTS10362+,CTS11358+,CTS11575+

■Dブランチ共通(8名)
CTS94+,CTS101+,CTS1014+,CTS1171+,CTS1582+,CTS3334+,CTS5001+,CTS7660+,CTS8880+,CTS10714+,(CTS11577)

()内はD(xD2,D3)では見られず

■D2(M64.1)ブランチ共通(6名)
CTS323+,CTS911+,CTS1024+,CTS1841+,CTS1904+,CTS2478+,CTS3177+,CTS3621+,CTS3651+,CTS5828+,CTS5829+,CTS6248+,CTS6332+,CTS6448+,CTS6494+,CTS6655+,CTS7089+,CTS7106+,CTS7165+,CTS7214+,CTS8060+,CTS8210+,CTS8348+,CTS8435+,CTS9246+,CTS10564+,CTS10750+,CTS11834+,CTS12007+

■D2a1b(IMS-JST022457)ブランチ共通(3名)
CTS107+,CTS642+,CTS932+,CTS1069+,CTS1817+,CTS1821+,CTS1982+,CTS2112+,CTS2728+,CTS3397+,CTS3768+,CTS3978+,CTS4661+,CTS4913+,CTS5406+,CTS6394+,CTS6886+,CTS6945+,CTS7471+,CTS7962+,CTS8093+,CTS8181+,CTS8484+,CTS8540+,CTS8583+,CTS8613+,CTS8914+,CTS9051+,CTS9061+,CTS9120+,CTS9896+,CTS9988+,CTS10441+,CTS10536+,CTS10646+,CTS10933+,CTS11264+

■D2(xD2a1b)ブランチ共通(3名)
CTS220+,CTS583+,CTS709+,CTS2820+,CTS3808+,CTS4158+,CTS5941+,CTS6287+,CTS6342+,CTS6908+,CTS7467+,CTS8057+,CTS8327+,CTS10054+,CTS10126+,CTS11474+

ブルボン家のY染色体解析

仏国王の頭部は「偽物」、先行研究覆すDNA分析結果
http://www.afpbb.com/articles/-/3001261

ブルボン家の子孫のDNA調査によって、
過去の調査結果が否定されたようです。

上記リンクにはハプログループが記載されてませんが
別のサイトの情報によれば
R1b1b2a1a1b* (R-Z381*)
だそうです。
Z381はベネルクス辺りで多いU106のサブグループ
ですから、結果としてはもっともらしいです
(ブルボン王家はカペー王家の男系子孫で
 カペー王家の始祖、ユーグ・カペーは
 フランク族の出身と思われる)

http://dienekes.blogspot.jp/2013/10/house-of-bourbon-belonged-to-y.html

系図によれば、今回調査したのは
ルイ14世の孫でスペイン王のフェリペ5世の
 子孫にあたるブルボン・パルマ家の2名
・ルイ13世の子孫で最後のフランス王
 ルイ・フィリップの子孫のうちの
 オルレアン・ブラガンザ家の1名
のようです。

D2、韓国でも発見

実はD2は韓国でも数%ほど見つかります。
日本を除けば、おそらく最も頻度が高いと思われます。
FTDNAでも、最近韓国人のD2の人が見つかったようです。

FTDNA Korea DNA Project
http://www.familytreedna.com/public/Korea_DNA/default.aspx?section=ysnp

YHRDで調べてみると、韓国のD2はDYS448が17の人が多く、
おそらくD2-M55に属すると思われます。
(D2a1-M125の場合、DYS448は19の人が多い。)
他のSTRのデータを見る限り、韓国人に多いタイプは
日本では少ないもののようです。